【神展開】15の時に家出したらお姉さんに拾われた。俺「どうして泊めてくれるんですか?」 お姉さん「そりゃもちろん」

もう三年前の話なんだがな

家出した理由はそれなりに家庭の事情だった

両親不仲で毎日喧嘩してて嫌になって家飛び出した

十五歳だった

親の財布から抜いた一万円で全く知らない街に行った

自分の財布ぐらいしか持ってなかった

携帯は電話鳴ると鬱陶しいからおいてきた

夜の十時過ぎに電車降りた

それなりに都会だった

とりあえずどうしようと駅前の広場にあるベンチに座って考えてた

家出した高揚感が次第に収まっていった

だんだん都会が恐く思えてくる

まあガキだったし

歳上の男や女が凄く恐く思えた

だいそれたことをしてしまったんだと思って悲しくなった

半泣きだった

俯いてると声をかけられた

「なにしとん?」

 

顔をあげるとにやにやと笑う三人がいた

歳上の男と男と女だった

凄く不快な笑みだった

玩具を見つけた、みたいな

逃げ出したくて仕方ないのに体が動かない

蛇に睨まれたカエルみたいな?

「なあなにしとん?」

目をまた伏せて震えた

今からコロされるんだぐらいの勢いで恐かった

「大丈夫やって、なんも恐いことせんから」

 

悪役の台詞だと思った

けど今にして考えれば悪役じゃなくてもいいそうな台詞だ

とにかく当時の俺には恐怖に拍車がかかった

また震えた

ごめんなさい、と呟いた

「つまんね」

開放されると思った

「お金ある?」

すぐにこれがカツアゲだとわかった

産まれて初めての経験だ

恐い恐い恐いって

 

あの時の俺はとにかく臆病だった

財布には親から抜いた一万円(電車代でちょっと減ってる)と

自分のお小遣い数千円があった

けどこれを失くしたらもうどうしようもなくなる

金がなくてもK察に行けば帰れるとか、当時の俺は思いつかなかった

だからそのままホームレスになって死ぬんだと思った

ないです、と答えた

「嘘はあかんて。な? 財布だせや」

駅前の広場は他にもたくさん人がいたけど

誰も助けてくれる人はいなかった

ドラマじゃよく聞く光景だ

誰も助けてくれない

でもそれは本当なんだな、と思った

 

「なあ?」

男が俺の頭を鷲掴みにする

言っておくがこの三人はただの不良だ

けどまあ、この三人のお陰で俺はお姉さんに拾ってもらえた

「なにしとん?」

それが初めて聞いたお姉さんの声だった

といっても

俺は向こうの仲間が増えたと思ってまたびくついた

けど三人の対応は違った

「なんやねんお前」

「いやいや、自分らなにしとん? そんなガキ相手にして楽しいん?」

「黙っとれや。痛い目見たなかったらどっかいかんかい」

「流石にガキ相手に遊んどるのは見過ごせんわ。ださ」

 

「あ?」

まあ、会話はおおよそだから。

でもこんな感じだったと思う。

恐くてってどんだけ言うんだって話だけどやっぱり恐くて上が向けず

お姉さんがどんな人かもわからなかった

「調子のっとるな、しばいたろ」

三人組の女の声だ

他の二人も賛同したのか視線はそっちに向いた気がした

少なくとも俺の頭を掴んだ手ははなされた

「ちょっとそこの裏路地こいや」

とか、そんな風なことを言おうとしてたんだと思う

けど、それは途中で終わった

「うそやん」

妙に驚いてた気がする

声色だけでそう思ったんだけど

「シャレにならんわ。ほな」

関西弁の人ってほんとにほなって言うんだ

とか調子の外れたことを思った

それから暫くして

俺の肩に手が置かれた

びくっと震える

たっぷりの沈黙の後

「なにしとん?」

さっきまでの三人組みたいな声じゃなくて

ちょっと優しい雰囲気があった

おそるおそる顔をあげると

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